この科目は、教養科目に位置づけられていますが、教職免許に必須の教職関連科目で、教職免許上は「日本国憲法」という名称です。
 さて、日本国憲法は、個人の尊重を前提とする人権の保障を中心的価値とし、現時点で、人権保障に最善とされる形に統治機構を構成しているとされますが、現実は、多くの人権侵害が存在するとともに、統治機構も運営には問題があり、憲法規範と現実の間には乖離があります。
 この授業では、憲法とは何かを説明を踏まえて、人権論の基礎的問題を押さえた上で、日本国憲法の保障する個別具体的な人権の保障の現状を、自由権、社会権、国務請求権、参政権の順に概観し、最後に人権保障の前提としての平和の問題について考えます。
 目標としては、日本国憲法の規範と現実の乖離の一端を確認することにより、自由権、社会権、国務請求権、参政権等が、誰に、どのような関係で保障(侵害も含む)されるのか、及びこれらの権利の根底にある個人の尊重や平等思想の概要を説明できるようになることを目指すこととする。